【よくある疾患シリーズ】ウサギの子宮疾患
山口県では女の子のウサギは避妊手術が行われていないことが多い印象があり、開院以来多数の子宮疾患の子を診察してきました。
女の子のうさぎさんの子宮疾患の罹患率は非常に高く、5歳以上で8割という報告もございます。
子宮の腫瘍の進行は一般的には穏やかであり、初期は症状がわかりにくいことがほとんどです。
当院での実例では、比較的症状が軽微で転移が認められる前の発見であり完全摘出により元気になってくれた子もいれば、来院時すでに肺に転移しており、呼吸状態が悪く手術は困難であり、診断から数日で亡くなってしまった症例や、市外からのセカンドオピニオンでご来院の方で、残念ながら移動中に亡くなってしまった子など、発見時のステージによりその予後はさまざまです。
血尿や食欲不振、排尿障害や骨転移による爬行、肺転移による呼吸困難などは病態としてかなり進行した状態であり、緊急性が高い状態です。
以上のことより当院では発症してから治療するのではなく、2歳までに予防的な卵巣・子宮摘出をすることを推奨しております。
昨今ではこの認識は広まりつつあり、少しずつではありますがうさぎさんの予防的避妊手術のご用命が増えてきました。
これまでうさぎさんの麻酔に関するデメリットばかりが目立ってしまい、なかなか踏み出せずにいた方も多いのではないでしょうか?
当院ではそういったご不安を少しでも減らすために
・術前検査の実施
・ご家族様への術式、麻酔手技のインフォームドコンセント
・先取り鎮痛、マルチモーダル麻酔の実施
・気管挿管による人工呼吸管理
・静脈内点滴による循環管理
・術後の入院管理
等を行うことでうさぎさんの負担を軽減する取り組みを行っております。
わんちゃん、猫ちゃんと異なるポイントは多数存在し、気を使う点は確かに多いですが、少しでもリスクが下がるように尽力しております。
ぜひ予防的な避妊手術をご検討いただければと思います。