水棲生物の水質と換水

ここ数日水棲生物の診療とお問い合わせがありましたので、ちょっと小話を。
魚類や一部の両生類のような完全水棲の動物は、水中で食事し、排泄し、そしてその環境水に常に体を晒しています。
夏季は水温の上昇に伴う溶存酸素量の低下や食べ残しに伴う硝酸塩濃度の上昇などにより、想定よりも水質が悪くなっていると考えてください。
そんな中課題になるのが換水です。
あまり普段水換えをしてあげれてないな、子供さんは夏休みで、ちょっと水換え頑張ってみようかな。一気に水を綺麗にしてあげよう!
そんな時起こるのが急激な水質の変化によるショックです。
水質の悪化により、環境水のp Hは酸性に傾いていることが多く、新鮮な水のp Hは中性から弱アルカリであるため、一気に換水すると、p Hショックによる突然死や神経症状などの症状を呈する場合があります。この現象は、新しくお魚をお迎えした時にも起こります。(だから水あわせが必要なんですよね。)甲殻類は特に水質変化に弱く、ビーシュリンプなどは容易に全滅してしまいます
こまめに1/4〜1/3程度を換水するか、PHモニタと調整剤を用いたり、水槽用クーラーを用いて元の環境水と近づけて換水する等の工夫が必要です。
大型水槽で水を掛け流しにしている場合や、海水性観賞魚で人工海水を用いている場合などは、新水と元の水の水質が近似されることが多いので、海水の比重などに気をつけていただければショックを起こすことは少ない印象です。
夏場は何となく、お魚を迎えられる機会が多い気がします。
ホームセンターやペットショップでも金魚やベタなどが販売されていますよね。
全ては書ききれませんが、ちょっとしたコツみたいなものです。
どうか大事にしてあげてください。