【治療解説】腫瘍外科の考え方
当院ではさまざまな動物のさまざまな腫瘍の外科手術を行うことがあります。
腫瘍のタイプや進行の具合、本人の状態などによってその目的も方法も異なります。
エキゾチックアニマルの場合には、生検に麻酔が必要なケースも少なくないことから、外科手術で摘出をすることがそのまま検査になる場合もあります。
今回のトピックでちょっと知っておいて欲しいのは、マージンの考え方です。
手術で完全に取り切ろうと思うと、正常な組織をわずかでも同時に切り取ることになります。
これが体が小さい動物や、顔面、血管近傍などになると、マージンの確保は困難となりいわゆる「取り残し」が起こります。
我々はできるだけ手術で取れることを目指しますが、手術によって生命機能の維持に異常をきたすような拡大切除は可能な限り避けねばなりません。
そのため、できる限り早期に発見し、できものが小さい間に診断、治療が肝になります。
ガンと診断されて、手術が必要だ、と聞いてどんなイメージか、というのはご家族様ごとに違った印象かと思います。痛いのかな、麻酔から覚めるかな、術後はどうなるんだろうというさまざまなご不安があるかと思います。術後に不安になってしまうこともあるかもしれませんね。
私は現実的に実現が不可能なケースを除いては、複数の選択肢とそのリスク・ベネフィットの両面を提示して、ご家族様が選択できるような形をとっています。もちろん治療は外科だけではなく、さまざまな標準治療の中の1つの選択肢にしかすぎません。
手術はただ痛いだけでもないし、無謀な賭けであってはなりません。
適切な選択をすれば、手術によって本人の状態は一気に良くなることもある有効な手段になり得ます。状態を見極めてしっかり管理することでその成功率を最大限に上げることができるのです。