【解説シリーズ】痒み止め
少しずつジメジメしてきて、皮膚病の患者様が増える季節になってまいりました。
痒み止めが処方されたことがある方も多いのではないでしょうか?
痒み止め、といっても獣医療で使用される痒み止めには様々な種類があることをご存知ですか?
「この薬とこの薬、どっちも痒み止めなのに値段がこんなにちがうの?」「この薬よく効くのになんで減らさなきゃダメなの?」「どうせ効くなら安いやつでいいよ先生!」「注射の痒み止めは?」
このような疑問は薬の種類を正しく理解することである程度解消されるかと思います。
よく痒み止めとして使用される薬を強さ順に並べると
ステロイド > ゼンレリア(イルノシチニブ)> アポキル(オクラシチニブ)> サイトポイント(ロキベトマブ)となります。
今回は少し本筋から逸れるのでたまに使用されることのある抗ヒスタミン薬については含めません。
このうちステロイド・ゼンレリア・アポキルは内服が、ステロイド・サイトポイントは注射が、ステロイドは外用が存在します
それぞれのパワーバランスは私から説明する時には弓矢と的の関係でご説明することが多いと思います。
弓矢と的があり、弓矢はお薬、的の中心には痒みが、その周りに炎症によって引き起こされる赤みや腫れが、さらにその的の外側には副作用があります。
弓矢のパワーが強ければ強いほど、中央に当たるパワーも強く、矢が大きいほど広い範囲にあたるのですが、太い矢は的の外に外れてしまいます(ステロイドなどの副作用)、逆に的の中央を正確に射抜ける矢は細く、副作用はありませんがパワーが弱く赤みや腫れを抑える効果はあまりありません(サイトポイントやアポキル)
図で言うと、オレンジのワンちゃんは力持ちだけど狙うのはちょっとへたっぴ。強力な矢なので扱いには注意が必要だよ。欲張るとだいぶ的の外に矢が出てるね。。。
ピンクのワンちゃんは力が弱いから小さめの矢、真ん中だけをしっかり射抜ける。強い的は射抜けきれないかも・・・。
青のワンちゃんはバランスタイプ。緑のわんちゃんほど力が強くないけどピンクさんより強い頑張り屋さん、小さめの矢を1日2回打ちます。2回続けるのはちょっと疲れちゃうかも・・・。
緑のワンちゃんは最新式の弓矢を手に入れました。今の所結構いいかも!オレンジくんほどは矢が大きくないみたい。新しい弓矢だからずっと使ってても壊れないか、耐久性はまだ何とも言えないよね。
って感じです!イラスト可愛いですよね 笑
リンパ球主体タイプの食物アレルギーなどでは、分子標的薬はかゆみだけ治っても、消化器症状が治らなかったりするため、ステロイドが適応になりますし、感染性の病変なら抗菌薬が必要になります。
適宜シャンプーの併用、保湿剤の併用を勧めるケースもあります。
様々なことを問診から聞き取り、本人の状態と合わせてアドバイスをさせていただいております。
そのため、当院では皮膚病の診療でも聞き取りに時間をかけることが多いと思います。
より効率的な治療のためにご協力いただければ幸いでございます。